暑い日差しと爽やかな海風が織りなす朝の空気。
シラチャの街が目覚めていく光景は、私の15年に及ぶ駐在生活の中で最も愛おしい瞬間の一つとなっています。
みなさんは、タイでの駐在員妻の生活をどのようにイメージされているでしょうか。
のんびりとした南国生活、それとも不安に満ちた異文化での暮らし。
実際のところ、その両方の側面を持ち合わせているというのが正直な答えかもしれません。
今回は、私の日常を通して、シラチャでの駐在員妻の生活をありのままにお伝えしていきたいと思います。
この記事では、朝市での新鮮な発見から、現地コミュニティとの関わり、そして家族との大切な時間まで、一日の流れに沿ってご紹介します。
15年の経験から得た実践的なアドバイスと共に、シラチャ生活の真の魅力をお届けできればと思います。
目次
朝のルーティンとシラチャの朝市文化
駐在員妻の日常的な朝の始まり
朝日が昇る前、まだ街が静かな5時半。
私の一日は、ベランダでのストレッチから始まります。
東の空が徐々に明るくなっていく中、シラチャの街並みを見下ろしながら過ごす静かな時間は、心を整える大切な儀式となっています。
朝食の準備は、タイと日本の食文化を融合させた形で行います。
タイ米のお粥に梅干しを添えたり、フルーツと味噌汁を組み合わせたり。
長年の工夫で、家族それぞれの好みに合わせた朝食スタイルが確立されています。
シラチャの朝市で見つける新鮮な食材
6時半を過ぎると、近所の朝市が最も活気づく時間帯です。
私は週に3回ほど、新鮮な食材を求めて足を運びます。
市場に一歩足を踏み入れると、色とりどりの熱帯フルーツや新鮮な魚介類、香り高いハーブの香りが私を包み込みます。
特に、バイトゥーイ(パンダナスの葉で包まれたココナッツミルクのお菓子)の香りは、15年経った今でも心躍る瞬間です。
地元住民との交流が生む発見と学び
朝市での買い物は、単なる食材調達以上の意味を持っています。
常連の八百屋さんが、新入荷の珍しい野菜の調理法を教えてくれたり、魚屋さんが今日イチオシの魚を取り置きしてくれたり。
こうした交流を通じて、タイの食文化への理解が深まっていきます。
「カイモーファイ(目玉焼き)にホラパー(バジル)を添えてみて」という市場のおばあちゃんのアドバイスで、新しい朝食メニューが生まれたことも。
日々の何気ない会話が、異文化理解の貴重な機会となっているのです。
午前中の活動:タイ文化との触れ合い
寺院での瞑想体験と心の安定
週に2回、近所のワット(寺院)で行われる瞑想の時間に参加します。
初めは言葉の壁に戸惑いましたが、今では心を落ち着かせる大切な習慣となっています。
静寂の中で過ごす30分は、異国での生活で感じるストレスを解放する貴重な時間です。
住職のアジャーン(先生)は、「心の平安は言葉を超える」とよく話してくれます。
この言葉の真意を、私は徐々に理解できるようになってきました。
地元コミュニティイベントへの参加
寺院での瞑想の後は、地域のコミュニティ活動に参加することも多くあります。
タイ語教室や料理教室、時には地域の清掃活動なども。
特に印象深いのは、月に一度開催される「文化交流会」です。
日本の文化を紹介する機会もあれば、タイの伝統行事について学ぶ機会もあります。
こうした活動を通じて、より深くタイ社会に溶け込んでいけることを実感しています。
現地教育事情:子どものための学校選びと課外活動
午前中は、他の駐在員妻たちと教育に関する情報交換をする時間も大切にしています。
シラチャには、インターナショナルスクールや日本人学校など、選択肢が複数あります。
それぞれの特徴や入学手続き、学費など、経験者だからこそ分かる細かな情報を共有し合います。
「子どもの将来を考えると、どの選択が最適なのか」という相談は今でも多く寄せられます。
私自身の経験から、学校選びは一つの正解を求めるのではなく、家族それぞれの状況に応じた柔軟な選択が重要だと考えています。
休日には子どもたちの課外活動にも同行します。
タイの子どもたちと一緒にサッカーを楽しんだり、音楽教室で伝統楽器に触れたり。
こうした経験は、子どもたちの異文化理解を自然な形で育んでいます。
シラチャでの教育環境は、グローバルな視点を養う素晴らしい機会を提供してくれているのです。
昼食タイム:シラチャのグルメスポット
おすすめのタイ料理とその背景文化
シラチャの魅力は、なんといってもその豊かな食文化にあります。
特に昼食時は、地元の人々で賑わうローカルレストランが活気に満ちています。
私のお気に入りは、市場の裏手にある小さな食堂「クルア・メー・スリヤー」です。
ここのパッタイ(タイ風焼きそば)は、甘み、酸味、辛みのバランスが絶妙。
タイ料理の真髄である「甘・酸・辛・苦」の4つの味わいが、一皿の中で見事に調和しています。
店主のスリヤーさんは、「料理は家族への愛情表現」という哲学を持っています。
その想いは、一皿一皿に込められた丁寧な仕事に表れているように感じます。
駐在妻に人気の国際的なレストラン
シラチャには、タイ料理以外にも多様な選択肢があります。
ロビンソンデパート近くの「カフェ・インターナショナル」は、駐在妻たちの情報交換の場としても人気です。
アジア各国の料理が楽しめるビュッフェスタイルのレストランで、日本食のコーナーもあり、ホッとできる空間です。
ここでは毎週水曜日に「ランチ交流会」が開かれ、新しく赴任してきた方々との出会いの場にもなっています。
ローカルフードと日本食材の調達術
15年の経験から得た、食材調達のコツをお伝えしましょう。
食材の種類 | おすすめの購入場所 | 特徴・ポイント |
---|---|---|
野菜・果物 | 朝市 | 新鮮で価格が安い、旬の食材が豊富 |
魚介類 | タラートシーフード | 活魚が選べる、日本の魚種も取り扱いあり |
調味料 | アベニューモール | 日本のブランドも充実、定期的に特売あり |
乾物 | 華僑市場 | 品質が安定、まとめ買いがお得 |
食材選びで最も大切なのは、「現地の食材をどう活用するか」という視点です。
例えば、味噌汁の具材としてパックブン(空芯菜)を使うなど、柔軟な発想で料理の幅が広がります。
午後の自由時間:趣味と自己研鑽
ライター視点での執筆活動とリサーチ
午後の静かな時間は、主に執筆活動に充てています。
シラチャのカフェ「バーン・チャノック」の2階席が、私のお気に入りの作業スペース。
窓から海を眺めながら、その日の体験や発見を記事にまとめていきます。
ライターとしての視点を持つことで、日常の何気ない出来事も、記事の素材として新鮮に映ります。
時には地元の方々にインタビューを行うこともあり、そこから思いがけない記事のアイデアが生まれることも。
地元マーケット巡りと買い物のコツ
午後3時を過ぎると、地元のマーケットが最も賑わう時間帯です。
「パサー・ナット」と呼ばれる市場では、タイの伝統工芸品から最新のファッションアイテムまで、様々な商品が並びます。
買い物での私のモットーは、「急がず、焦らず、じっくりと」。
最初から値引き交渉をするのではなく、まずは店主との会話を楽しむことから始めます。
そうすることで、商品についての詳しい説明や、より良い商品を推薦してもらえることも多いのです。
趣味としてのタイ料理研究と地元の食文化理解
週に一度は、地元の料理教室「クルア・タイ」に通っています。
ここでは単にレシピを学ぶだけでなく、各料理に込められた文化的な背景も教えていただきます。
例えば、ソムタム(青パパイヤのサラダ)一つとっても、地域による味の違いや、食材の選び方など、奥深い知識が必要です。
教室で学んだレシピは、自宅で家族向けにアレンジすることも。
日本人の口に合うよう少し甘めに調整したり、辛さを抑えたりと、実験的な試みも楽しんでいます。
夕方の過ごし方:家族との時間と地域活動
駐在員家庭のディナー事情
夕暮れ時のシラチャは、また違った表情を見せてくれます。
帰宅した家族との団らんの時間は、一日の中で最も大切にしている瞬間です。
夕食の準備をしながら、家族それぞれの一日の出来事に耳を傾けます。
私たち家庭では、「和とタイの融合」をテーマに夕食メニューを考えています。
例えば、トムヤムクンの具材を味噌汁に活用したり、カレー粉で和風そぼろを作ったり。
15年の試行錯誤から生まれた、我が家ならではのレシピが少しずつ増えていきました。
時には夫の同僚家族を招いて食事会を開くことも。
そんな時は特に、日本とタイの食文化をつなぐ料理で、心温まるおもてなしを心がけています。
地元のナイトマーケットとレクリエーション
週末の夕方は、ナイトマーケット「タラート・ナット・ヤーン」に足を運びます。
ここでは、その日の夕食の具材を探すだけでなく、地域の人々との交流も楽しめます。
屋台でカオマンガイ(蒸し鶏のせごはん)を頬張りながら、隣に座った地元の方と会話を交わすのも素敵な思い出です。
マーケットの一角には、子どもたちが集まって伝統的な遊びを楽しむスペースも。
私たち家族も時々参加させていただき、世代や国籍を超えた交流の機会となっています。
家族との絆を深める過ごし方
夜の時間は、家族で一日を振り返る大切な時間です。
ベランダに出て、シラチャの夜景を眺めながら、それぞれの喜びや悩みを共有します。
異国での生活だからこそ、家族の絆はより一層深まるように感じます。
子どもたちは学校での出来事を話し、夫は仕事での課題を相談し、私も一日の発見を共有します。
このように、お互いの経験や感情を分かち合う時間が、駐在生活を支える大きな力となっているのです。
シラチャ生活の現実と楽しみ
駐在員妻の苦労と乗り越え方
シラチャでの生活は、もちろん challenges(課題)もあります。
言葉の壁、文化の違い、時には予期せぬトラブルも。
特に赴任当初は、スーパーでの買い物一つとっても一苦労でした。
しかし、こうした困難を乗り越えるコツは、「待つ」「観察する」「受け入れる」の3つです。
完璧を求めすぎず、一つずつ課題に向き合うことで、徐々に生活に慣れていけるものです。
シラチャで築く「第二の故郷」
15年という歳月を経て、シラチャは私たち家族にとって、まさに第二の故郷となりました。
市場で顔見知りが増え、道で出会えば気さくに声をかけてくれる。
そんな何気ない日常の中に、確かな暮らしの基盤を感じています。
住まい選びもその重要な一歩です。
シラチャでの不動産探しについては、「タイ・シラチャでおすすめの不動産会社を紹介!物件の特徴や探すポイントは?」で詳しい情報が紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
異文化での生活は、新しい自分を発見する機会でもあります。
私の場合は、ライターとしての活動を通じて、自己実現の道を見つけることができました。
コミュニティと友人関係の重要性
シラチャでの充実した生活の鍵は、コミュニティとの繋がりにあります。
日本人会の活動、地域のボランティア、地元の方々との交流。
これらの関係性が、心強いサポートネットワークを形成してくれています。
特に、長年の駐在経験者から新規赴任者へのサポートは、コミュニティの大切な役割の一つです。
まとめ
シラチャでの駐在員妻としての生活は、私に多くの学びと発見をもたらしてくれました。
朝市での新鮮な出会いから、夜の家族団らんまで、一日一日が新しい発見に満ちています。
確かに、慣れない環境での生活には戸惑いもあるでしょう。
しかし、オープンな心で異文化を受け入れ、地域の人々と交流を深めることで、かけがえのない経験が待っています。
これから駐在生活を始める方々へ、私からのアドバイスです。
焦らず、一歩一歩、自分なりのペースで。
シラチャには、あなたの新しい人生の章を彩る、たくさんの素晴らしい出会いが待っているはずです。
新しい環境での生活に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ここで得られる経験は、きっとかけがえのない人生の財産となるはずです。
さあ、あなたも、シラチャでの新しい暮らしを、心開いて始めてみませんか?
最終更新日 2025年7月5日 by mariah